惑星大気研究会 (WTK)

惑星大気研究会とは

惑星大気研究会 (WTK) は, 惑星大気科学に関するさまざまな話題を議論する場です. 研究会とビデオ会議システムを用いたオンラインセミナーを行っています.

研究会, オンラインセミナーに関するお問い合わせは, 惑星大気研究会運営グループ wtk-staff at gfd-dennou.org までお願いします.

次回研究会, オンラインセミナー, 関係研究集会予定

WTK/CPS「大気境界層ミニ研究会」2025 年 1 月 21 日 (火) 10:00 - 18:00

話題提供者
  • 毛利英明 (日本気象協会/気象庁気象研究所)「境界層乱流の研究における最近の進展と気象モデルへの応用」(CPS セミナー 兼)
  • 林 祥介 (神戸大)「惑星大気(火星, 金星, ...)での対流問題」
  • 伊藤純至・尾前亮太郎(東北大)「接地境界層のパラメタリゼーションについてLESを用いた検討」
  • 中西幹郎 (日本気象協会) 「深い対流への遷移における乱流浮力生成項の重要性」

詳細は 研究会ページ へ (まだ準備中)

オンラインセミナー第 127 回 2025 年 2 月 3 日 (月) 10:00 -

話題提供者
  • 今井 正尭 (東大) 「AFES-Venus GCM を用いた金星大気中層に見られる総観規模渦の考察」
要旨

金星は, 全球を濃硫酸の雲によって覆われているが,地表や下層高温大気からの近赤外線放射は中・下層の雲に遮られながら宇宙空間へ抜けてくる. CO2 大気の"窓"領域である2.26 μmバンド画像では, 50 km を代表高度とする雲の光学的厚さの水平分布が可視化される(Carlson et al., 1991). 金星探査機「あかつき」に搭載された2 μm カメラ(IR2)は,南北両半球にわたって様々なスケールの雲模様を記録しており, その中には北緯 20?30 度付近に中心をもつ > 1000 km の渦状模様も存在する (Limaye, et al., 2018). 本研究では, 金星大循環モデル AFES-Venus GCM の高度~60 kmで発見された渦を解析し, IR2で観測された渦状模様の構造や形成メカニズムについて比較・考察した.

GCM 内では, 渦は雲層内の高度60 km付近で発達し, 領域全体は低温でかつその前面(後面)に上昇流(下降流)を伴うことが分かった. IR2 の2.26 μm 観測画像と比較すると, 渦状模様は鉛直上向き(下向き)の風が雲の厚さを増加(減少)させることで模様が明瞭化されている可能性がある. また興味深いことに, GCM でみられた渦は片側半球の緯度 30?付近にのみ存在する南北非対称な構造をもち, 同時にジェットが渦とは逆側半球に作られ, 南北半球間で相互に入れ替わる様子が発見された. ジェットの成長による南北シアー (順圧)不安定は, 成長時間スケールが ~4.3 日と見積もられ, モデル内の渦のスケール ~5000 kmと合わせて渦の形成をよく説明できる. また, ジェットによって作られた成長段階の渦は,反対側の半球でピークに達した渦と結合し, 赤道越えの風を伴って南北半球間の運動量輸送を引き起こし, 結果として南北半球間で渦とジェットが“シーソー”するような振る舞いも明らかとなった.

本研究会では, 以上の結果の詳細について報告するとともに, 今後の更なる現象理解に向けた理論的・観測的な研究の可能性について議論を行いたい.

CPS/WTK & ABC ワークショップ「地球型惑星気候を多角的に考える」 2025 年 02 月 20 日 (木) 〜 21 日 (金)

話題提供者
  • Colin Goldblatt (U. Victoria) 他

詳細は 研究会ページ へ (まだ準備中)

「金星大気科学とその周辺」(仮) 2025 年 02 月 27 日 (木) 〜 28 日 (金)

話題提供者
  • 今村 剛 他

詳細は 研究会ページ へ (まだ準備中)

その他

現在企画中です.

過去の研究会等の資料

過去の研究会, オンラインセミナーの情報, 及び講演資料を公開しています [過去の研究会等の資料].

リンク